世界の注意を引かずにイラクから撤退する難しさ

http://d.hatena.ne.jp/settu/20061122/p1#c1164695846
2006-11-28 - 弯曲していく日常(はてなblogに転居済み)

どちらかというと、私はid:noharraさんに賛成。
なぜ、私はid:noharraさんに賛成なのか。
それは、id:noharraさんのおっしゃるとおり、日本軍(自衛隊)はもちろんのこと、アメリカ軍にすらイラクの現状を収集する能力はない、ということに尽きます。
もう少し状態が悪化する前なら、あるいはイラク戦争が始まる前ならその役目をフセイン大統領が担えたかもしれません。
が、状況ははっきり言って最悪。

私なら、逃げます。
どうせ、逃げなくても犠牲になるのはイラク市民です。(あわれなことですが)
であるならば、わざわざ自国民を危険にさらさないほうがよいに決まっている。

問題は逃げ方が非常に難しい、ということです。
逃げれば世界各方面から非難を浴びます。
逃げるということは弱みをさらけ出すということですので、反アメリカの立場をとる多くの国や、友好国であるにもかかわらず、アメリカの覇権を快く思わない国々などがよろこんでアメリカを叩くでしょう。
そんなアメリカの味方になれば、日本はもっと叩かれるに違いありません。これは避けたい。

しかし、現状日本はアメリカの属国です。
アメリカの機嫌を損ねたりアメリカの支援を失えば、どんな未来が待ち受けているか想像するだに恐ろしい。
現状を打破したいのはさておき、現実がそうである以上アメリカ第一の友好国としての立場は貫く必要があります。
さて、どうするか。アメリカにどのように行動するよう勧めるか。

私の私見ですが、イラク問題よりもはるかに深刻で重要な事態が発生し、イラク駐留の兵力をそちらに向けざるを得ない、向けたとしても誰も不思議に思わないようしむけるほかないと思います。
そして、深刻で重要な事態の舞台とするべき地域は、北朝鮮キューバベネズエラのいずれかだと考えます。
イランではイラクに近すぎ、さらに泥沼にはまることになりかねませんので除外です。

キューバベネズエラアメリカ本国に近く、両国の首脳とも反アメリカです。ただ、こちらは軍事行動を起こせるような口実が少ない。また、もっとも重要なことはほぼ日本と無関係です。このような国々とアメリカが事を起こした場合、イラクの押さえとして日本が指名されてしまわないとも限らない。

というわけで、北朝鮮です。
ここなら、日本は国境を隔てた隣国となりますので、遠くはなれたイラクに兵力を派遣している場合ではなくなります。
また、アメリカ(の大統領)が悪の枢軸として名指しした国家のひとつ。
おまけに、ロシア・中国といった超大国とのちょうど中間点にあるという、この場合非常に都合のいい条件もある。
もしここでアメリカ軍が出動せざるを得ない事態が起これば、イラク駐在の兵力をこちらに振り向けても、誰も不審には思わないでしょう。

結論としては、北朝鮮問題の早期解決を、それも軍事的な解決をアメリカに求めるのが、日本がアメリカの同盟国として最善の手ではないかと考えます。
ちなみに後始末は韓国にやっていただきましょう。これで日本を経済的にも軍事的にも脅かすことの出来る国の一つをしばらく身動きできなくすることができますし、イラクでの教訓を生かすことにもなりますから。

まあ、実際のところ、ここまで大胆で危険な手を躊躇なくやれるなら、ブッシュさんはイラクでここまでてこずることはなかったとは思うことと、下手を打てばイラクどころでないとんでもない事態をさらに発生させることになりかねなかったりするので、どうなんだろうと書きながら思っていたりもしますが。

まあ、ここまでトンデモでもなくても、なんらかの戦略に基づく意見を述べる(ためにいろいろ考える)ことは時間の無駄にはならないと思ってます。