自己鍛錬の必要性は、年齢を重ねないと本当には理解できない

場合もある、と思う。
むしろこれこそ個人差があって、小学生の間に理解できる子もいれば、大学生になるまでわからない子もいるし、社会に出てからやっと気がつく人すらいるだろう。


因数分解って何の役に立つの?」と聞ける子は平均的な子供より賢い子だと思う。
「役に立たない」と正直に答えてやるべし。あれはただのパズルだ。


 こうやって幼い頃に勉学を強いる傾向にあるのは、子供のほうが記憶力が強く、一度習得したことをなかなか忘れてしまわないことに原因があると思う。
 実のところ、大人になってから必要に駆られて勉強しても、身につかなくはない。ただし、えらく労力がかかる。それを経験した愚か者達が、苦労しないでいいようにと子供達に勉強を押し付けているのが現状である。
 そして、そうやって半ば強迫観念に駆られて勉強させられた世代が、次の世代に同じことをする。もしくは、子供の頃まともに勉強せずえらい目にあった世代が、次の世代に自分のようにはならないよう勉強させようと頑張っているかのどちらかではないだろうか。


 苦労をしたくない=楽をさせたい


 そう思っているような連中が、子供に勉強を押し付けているのだ。果たして、そうやって勉強を押し付けられた人間が、苦労や努力の本当の意味を学ぶことが出来るのだろうか。

 勉強は必要になったときにやっても遅くはない。むしろ、必要と感じたときにこそやるべし。苦労をせず育ったり、その価値を知らない人間が必要ないのは世の中の事例を見ればあきらかではないかと思う。