権利者と消費者の醜い争い

私的録音録画小委員会:反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ (1/2) - ITmedia NEWS
私的録音録画小委員会:反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ (2/2) - ITmedia NEWS

正直、どっちもどっちだと思う。
消費者はタダ見、タダ聞きができなくなるのはとんでもない!と思っていても口に出して言えないので

WebブラウザでWebサイトを閲覧していると、ダウンロードしているという感覚は薄いかもしれない。しかし、データをダウンロードしなければ、いわゆる「ホームページ」を見ることもできないのである。一日ネットをしていれば、相当な数のファイルをダウンロードしているはずだ。

もちろん、上の引用にもあるように、基本的に規制の対象は動画・音声ファイルで、しかも、YouTubeニコニコ動画などの動画サイトのストリーミングは当てはまらないとしている。しかし、実態としてはローカルにキャッシュを保存している。これが一時保存だから構わないとするのだが、Winnyのような共有ファイルのキャッシュは一時的ではないのだろうか。

もっと原理的に言うと、機械レベルでは、動画・音声・画像・文字といった区別はなく、全て1か0かのデータでしかない。例えば、動画を連番画像にバラしてダウンロードして、また動画にまとめることができるだろう。つまり、技術的な区分としては大きな意味はない。そして、意味がないから全部違法ダウンロードにしようと、後から法の運用を変えられる危険性がある。

法律を新設するより条文を変える方が、条文を変えるより解釈を変える方が楽なので、後から運用を変える恐れはある。権利者が動画・音声だけでなく、画像・文章にも適用しろと迫る、というのは自然な流れだ。

みたいな事を言う。
ダウンロード違法化はどこがまずいのか - 萌え理論ブログ
もっと正直に「おれたちはてめーらが設定した値段では見たり聞いたりしたくねーんだよ!」と声高らかに宣言してはいけないのだろうか。わざと背伸びして高尚な話題にすり替えようとしていように思える。

権利者は権利者で、自分が権利を所有している著作物がネットで大量に流通し、それが自分の利益にならないことに腹を立てている。
こちらは至極まっとうだ。まっとうなんだがこっちも結局ダウンロード違法化で損することは想定してない。権利者が犯罪者として仕立て上げようとしているのは、権利者にとって一番大事なお客さんだということを忘れてないか、と思う。

どちらにしても、コンテンツ制作者への敬意がゼロなのはいただけない。
権利者はコンテンツ制作者本人であることはあまり多くないし、コンテンツ制作者は私の知る限りではこの件に関して沈黙を守っている。海外では動きがあるようだが、まだ主流ではない。

余談

「1999年ごろから、日本・海外のコンテンツ事情を見てきたが、日本ほどコンテンツに誠実にお金を払っている国はなく、そのおかげでコンテンツビジネス市場も拡大してきた。これだけお金を払っているんだから、多少のコピーはさせてくれてもいいじゃないですか。権利者のみなさんも、ユーザーを信頼してくださいよ」と、津田委員は苦笑する。

津田さん、口滑らしましたね。”お目こぼし”は欲の皮つっぱらかってる反対派は望んでないです。